細い月

近所のコンビニに
ちょっとだけ買い物へ

入り口付近で
小さな80代くらいのおばあちゃんと
コンビニ店員さんのやりとりが一瞬耳に入った

…この大根あげるから許して…
そう言ってスーパーの袋から
大根を取り出していた

察しが付く

買い物を急いで済ませると
もうその場には誰もいない

小さな一瞬の出来事だったが
大きな胸の痛む出来事だった…

私にはそのおばあちゃんの背景は
わからない
認知症によるものか
それとも、満足に食を満たせる事が難しい生活苦か…
支えてくれる家族は…
色々思い巡らせた

老後の生活への不安が募る
自らをも省みる時となった

細い月を見つめ
消えかかっている自分の力に
目が覚めた…